2009年2月22日日曜日

テキストを補う教材~税務大学校講本~

大原の「理論サブノート」の巻末には、過去問が載っています。
最近の過去問を見てみると、1問目と2問目の2つの大問に分かれているのが分かります。

1問目は、国税徴収法で必要な知識の定義や、基本的な考え方を問うような内容になっています。
2問目は、配当を含めた計算的な問題と言う構成のようです。

特に一問目で、現在まで履修済みと思える部分などを見てみましたが、中々論述するのが難しいような気がしてしまいました。
大原の講座のテキストなんかででも一応触れられてはいるのですが、どうも初学者の私には記述が充分ではなく、今一歩理解が出来ていないように感じられるのです。
これまで、税法の勉強はしたことがありませんでしたし、また、ついこの間までは興味もなかったほどですので・・・。


そんな中、見つけたもの。
税務大学校講本です。
国税庁のホームページから無料でPDFファイルをDLすることができます。
この文章は、税務大学校において、「普通科及び専門官基礎研修で、初めて税法に触れる研修生に税法の基礎的知識を学ばせるために、税務大学校が作成しているもの」とのことです。(国税庁ホームページより)

ちょっと内容を走り読みしましたが、中々よさそうです。
気合を入れて勉強をするというものではなく、基本的な考え方を学ぶような、読み物的な位置づけで手許においておくといいような感じがしました。
これによって、初学者の私でも、過去問第一問目のいくつかは、書けるようになるかと思います。

LECのホームページで読みましたが、近年の国税徴収法は、単なる理論の暗記では対処ができないそうです。
その為には、考え方の基礎を理解しておかなくてはならない・・・ということかと思います。

但し、この税理士試験というものは、理論の暗記は手を抜いてはいけないとは思います。

しかし、こと、この国税徴収法という科目においては、さらに理解力も必要なようにも感じています。
これは、この国税徴収法という法律の条文数が少ないために、試験機関が受験生に優劣を付ける為に考えてきている部分かもしれません。
そのための前提とも言えるスタートに立つためには、私のような初学者にとっては、理解の礎になるようなものが必要かとも思います。

2009年2月18日水曜日

「難関資格」合格したけりゃ本は読むな!

なんのこっちゃ!?
と思われるかと思います。

先日、ブックオフで購入した書籍のタイトルです。
105円でした。

著者の方は、東大に合格、国家公務員上級職試験や司法試験を突破されています。
確かに、私なんかとは、頭の出来が違うと思いますから、そのまま真似をしても無理かとも思いました。

しかし、その中に書かれている内容は、非常に示唆に富んだものがありました。

極めて要約をして一言で表現をするならば、「必要な知識以外は勉強をするな」ということでしょうか。

試験範囲の中で、試験に問われる部分は全体の3割程度にすぎない。
残り7割は捨ててもいい知識。
しかし、多くの受験生は、その不安からか、この捨ててもいい7割に時間を掛けて失敗する。

と、こんなところです。

確かに、私もそれを感じたことがあります。
宅建の試験の際には、「らくらく宅建塾」という本以外は見ませんでしたが、この本、実は外見は厚いのですが、中身はというと、「爆笑ゴロ合わせ」とか図表などにページが割かれていて、オマケに字も大きいために、まとめてある論点は非常にコンパクトなんですね。
私は、この本以外は見ませんでしたし、ましてや過去問も解かずに本試験などという、極めて無謀なことをしましたが、この事は、合格に必要な知識だけを勉強すれば合格レベルに達することができる、ということなのではないかと思います。

確かに、こんな勉強では、知識が穴だらけになってしまって不安もあるし、ましてや合格後も実務で使えなければどうしょうもないよね・・・とか。。。思ったりもしました。

でも、スタートラインに立つことが出来るのは、資格を取れた故であって、それ以前から考えることでもない様に思います。



難関資格合格したけりゃ、本は読むな!

2009年2月15日日曜日

予備校の理論を覚えることの意味

下に書いた、国税徴収法第22条「担保権付財産が譲渡された場合の国税の徴収」の条文ですが、覚えにくいのもさることながら、配当計算を答案にする際に、法律条文をそのまま覚えていただけでは、答案構成をする際に、無駄な時間が掛かってしまうことが分かりました。

試験本番で、あれこれ考えていては、とっても時間が足りないのです。
先日も、大原の講座でミニテストがありましたが、まったく制限時間内に書ききれませんでした。
この22条1項はその全部を答案用紙に記載しなくてはならないですが、そのままつらつらと書いたのでは、答えになりにくいんですね。

その点、やはり、予備校で出している「理論」というものは、答案になりやすいように作ってあるというのが良く分かりました。
予備校理論を覚えたままにそのまま書けば、それで答えになる・・・。
こう言ったところが、よく考えられています。
素人があれこれ考えても、やはり予備校にはかないませんね。

この国税徴収法という科目は、特殊な科目ですので、相応に民法の知識に自信がある方などは、独学で目指される方もおられるようにも思いますが、やはりそれでも、予備校で出されている理論集は入手をされて、それを暗記した方がいいのかと思いますね。

例えば、この22条は・・・

下記のすべてに該当する時は、納税者の国税は、質権者又は抵当権者から、譲渡財産に係る強制換価手続において、その質権又は抵当権の被担保債権につき、その質権者又は抵当権者が配当を受けるべき金額から徴収することが出来る。
①納税者が他に国税に充てるべき充分な財産がない場合において、その国税の法定納期限等後に登記した質権又は抵当権を設定している財産を譲渡したこと。
②納税者の財産につき、滞納処分を執行してもなお国税に不足すると認められること。

これをそのまま「要件」として書けば、解答になり易いということかと思います。


なお、ちょっと不思議に感じたのですが、この22条1項の理論は、大原もTACもほとんど同じですね。
うーーーん。
どっちが真似をしたのか分かりませんが、著作権上、問題はないのでしょうか。。。
ちょっと不思議な点です。


国税徴収法理論サブノート



国税徴収法理論マスター

2009年2月11日水曜日

覚えにくい条文~国税徴収法第22条~

重要な条文のようですが、ちょっと暗記がしにくいと感じられる条文です。

(担保権付財産が譲渡された場合の国税の徴収)
第二十二条  納税者が他に国税に充てるべき十分な財産がない場合において、その者がその国税の法定納期限等後に登記した質権又は抵当権を設定した財産を譲渡したときは、納税者の財産につき滞納処分を執行してもなおその国税に不足すると認められるときに限り、その国税は、その質権者又は抵当権者から、これらの者がその譲渡に係る財産の強制換価手続において、その質権又は抵当権によつて担保される債権につき配当を受けるべき金額のうちから徴収することができる。
2  前項の規定により徴収することができる金額は、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した額をこえることができない。
一  前項の譲渡に係る財産の換価代金から同項に規定する債権が配当を受けるべき金額
二  前号の財産を納税者の財産とみなし、その財産の換価代金につき前項の国税の交付要求があつたものとした場合に同項の債権が配当を受けるべき金額
3  税務署長は、第一項の規定により国税を徴収するため、同項の質権者又は抵当権者に代位してその質権又は抵当権を実行することができる。
4  税務署長は、第一項の規定により国税を徴収しようとするときは、その旨を質権者又は抵当権者に通知しなければならない。
5  税務署長は、第一項の譲渡に係る財産につき強制換価手続が行われた場合には、同項の規定により徴収することができる金額の国税につき、執行機関に対し、交付要求をすることができる。

特に第一項が覚えにくいのですが、「納税者」がいったい誰を指しているのかという点を念頭に置いて、理解しておかないと難しい感じがします。
また、この一項は条文自体も結構長いので、<要件>と<効果>に分けてみた方がいいのではないでしょうか。

例えば、こんな感じです。

<要件1>
納税者が他に国税に充てるべき十分な財産がない場合において、その者がその国税の法定納期限等後に登記した質権又は抵当権を設定した財産を譲渡したときは、

<要件2>
納税者の財産につき滞納処分を執行してもなおその国税に不足すると認められるときに限り、

<効果>
その財産を譲渡した者の国税は、その質権者又は抵当権者から、これらの者がその譲渡に係る財産の強制換価手続において、その質権又は抵当権によつて担保される債権につき配当を受けるべき金額のうちから徴収することができる。

TACや大原から国税徴収法の理論の書籍も出ていますが、場合によっては、それでも自分には合っていないように感じられる部分も出てくるようですので、その場合は独自に文字を加えたり、文章の順序を入れ替えたり、表現を工夫するなり、そんなことをすることも重要な気がしています。


ただし、留置権のところでも書きましたが、微妙な表現そのものが、法律の要件に係わってくるところもあるように思いますので、出来るだけ条文に近い表現を心掛けた方が安全かとは思っています。

2009年2月7日土曜日

大原税理士試験講座「国税徴収法」講義4回目

国税徴収法の4回目の講義がありました。

今日は、水道橋にある日大の入試試験だったようですね。
私のようなジジィにも、受験の学生さん向けのパンフレットを手渡そうとするアルバイトの方もおられました。。。

ヲイヲイ・・・
そんな若く見えますか?
まんざらでもなかったりして・・・って、馬鹿ですね。
アルバイトさんにとっては、パンフが裁けることが重要だもんね。

今回のミニテストは、前回に懲りて、宿題の理論はほぼ暗記をして望みました。
結果、ボロボロだった前回に比べれば、多少はスラスラ書けましたが、時間が足りずに全部は終わりませんでした。
この税理士試験に特有と思われる「理論」などというものを暗記させるのは、本試験において、答案構成に充分に掛けられる時間がないのではないか・・・と、今回思いました。
その場で文章構成を練っていては、多分、時間が足りないんだと思います。
むしろ、「理論」として覚えた中から、書く内容を取捨選択するくらいでないといけないように感じました。
実は、今回のミニテストで解答欄に指定されていたところに解答する際、どうしても書ききれないような感じを受けた部分がありました。
この点は、その分量にまとめないといけないということなんだと思います。
問題文の意図するところに対して、不要なことを書きすぎようとしていたって言う事だったんですね。

ゼロから始めた税理士試験ですから、まだ出来なくてもしょうがないのだけれど、やはり、結構ヘコみます。
同じ教室の他の方は、多分、少なくとも簿記論や財務諸表論は通っていて、さらには税法科目も合格している人がほとんどのはずなので。。。
とは言え、同じような難関資格の司法書士試験の勉強の時では、LECの講座内の定例試験なんかでは、よく上位に入っていて、名前なんかも張り出されてたりいましたので。。。
司法書士は、これでも受からなかったし。。

税理士試験も自分には、難しいのかもしれないですね・・・。

・・・と、弱気にもなったりしますが、司法書士のときのように受験をやめてしまうことだけは決してない様に・・・。
多分、昨年転勤となった経理の部署に関しては、人事ローテーションから考えても、5年という期間になる可能性が高いので、出来れば、その間に何とか取得したいですね。
多分、この期間であっても、すべての科目をそろえるのは、簡単なことではないとは思いますが。。。

2009年2月3日火曜日

ちょっと深い感じがする国税徴収法21条~留置権の優先~

(留置権の優先)
第二十一条  留置権が納税者の財産上にある場合において、その財産を滞納処分により換価したときは、その国税は、その換価代金につき、その留置権により担保されていた債権に次いで徴収する。この場合において、その債権は、質権、抵当権、先取特権又は第二十三条第一項(法定納期限等以前にされた仮登記により担保される債権の優先)に規定する担保のための仮登記により担保される債権に先立つて配当するものとする。
2  前項の規定は、その留置権者が、滞納処分の手続において、その行政機関等に対し、その留置権がある事実を証明した場合に限り適用する。

この「滞納処分により換価」と「滞納処分の手続き」、「行政機関等」という部分が、微妙に他の担保権の表現と異なっています。

これは、留置権が他の担保物件と異なり、担保権実行としての競売が出来ず、いわゆる「形式的競売」が認められているに過ぎない、というところに理由があるように思われます。
ただ・・・この条文の表現に関する理屈が、未だ頭の中でスッキリ解決が出来ていないのですが。。。

また、留置的効力のみで優先弁済権があるわけでもないのに、結果的には優先となってしまう民法の結論が、この「国税との取り合い」の局面でも生きてくるようで、結構、面白いところかとも思いました。

中々深い条文かと思います。

まだ書きかけですが、留置権のまとめをWEBにアップしてみました。
ただ、いまのところ、あまりまとめるべきものもない程です。
留置権に関する条文の特徴的な言い回しの部分(テキストには載ってませんので・・・)だけに焦点を当てて書いてみました。

しかし・・・今のところ、大原の授業は、極めて基本的で簡単すぎる印象を受けます。
例えば、留置権については成立要件など、ややこしい論点もあるんですが、まだ一切登場してきません。
配当計算などでは、ホント、問われそうな気がするんですが・・・。
民法上の留置権の物との関連性とか、商事留置権については、基本的にはその関連性が不要・・・。とか。
まだまだ色々あるんですが。。。
これから出てくるのかな。

2009年2月1日日曜日

初めて取得した国家資格~宅建~

宅建でした。
平成7年だったかと思います。
前年に簿記2級を取得して、資格試験にチャレンジすることの面白さを知った後でした。

宅建という初めての国家試験で、完全独学で勉強をすることを決意しましたが、今思えば、非常に無謀な勉強をしたと思います。

まず、過去問は全く解きませんでした。
基本書と信じたものだけを、ひたすら回しまくる。
これだけでした。
勉強時間は。通勤時間と営業職からの勤務時間中の細切れ移動時間だけ。
500ページ程度の参考書ただの一冊、これを12等分して、一ヶ月の勉強量を決めました。
それ以外は一切手をつけなかったです。
過去問の攻略なんて、今思えば当たり前の事なのですが、当時はしませんでした。

でも、コツコツ少しづつやってました。

本試験を迎え、ぶっつけ本番で問題を解くことは、とにかく非常に難しかったです。
試験後の感想、それは・・・「まあ・・・無理だろうなあ。。。」
なんて思ったものでした。

しかし、受験後に試験会場付近で配っていた回答速報を入手して、答え合わせをしてみたところ、34問も取れていたんです。
これにはちょっと驚きました。

ちなみにこの年は、28問が合格基準点でしたので、結果としては、かなり余裕を持って合格が出来たことになります。

今思うと、教材に関しては、決してあれこれ手を出してはいけないということかと思っています。
あれこれやって中途半端になるよりは、薄くても信じた教材をやってみることかと思うのです。

ただし、教材の中には、とても使えないものもありますから、その点はWEBなどで情報を得ればいいかと思いますね。
当時は、WEBもありませんでしたので、私にとっては、この宅建の基本書に出会えたのは運が良かったと思います。

この書籍は、現在も発刊をされています。
2chなどを見ても、宅建の短期合格者の多くが推薦をしていますので、いいテキストかと思います。

私は、今もこの書籍は本棚においています。
↓「らくらく宅建塾」という書籍です。



らくらく宅建塾

大原「国税徴収法」講義3回目

3回目の講義。

ミニテスト・・・ボロボロ。
全然書けませんでした。

授業は難しくありません。
ほぼ、理解が出来ているかと思います。

しかし・・・書けるかどうかは別物なんですね。

理論の暗記というものは、やはり「難物」なんだと思います。
これが税理士試験の難しさなんでしょうね。

他の方のサイトやブログを見ると、「簿記論」や「財務諸表論」をクリアできた人が、税法に進むのが通例なようですから、多くは一次関門を通り抜けた人がこれらの科目にチャレンジしていて、やはりレベルは相応に高いのでしょうね。

私のようなタイプは非常に稀なのかもしれません。
私は、それら会計科目はまだ勉強をしていませんので。。。


2回目の講義の「国税相互間の優先関係のまとめ」をWEBにアップしてみました。
自分の復習用として、今後もやっていこうと思っています。
あくまで、時間を掛けないようにしながら・・・。